なんのために人は生きているのだろう。何が僕は得意なのだろう。

個人の力・集団の力

久しぶりに本棚から「企業運命鑑定入門」という本を取り出して読み返してみました。

この本は「群式」というものを用いて企業の運勢などを占おうというもので、形式はおなじみの四柱推命によく似ています。違うのは四柱推命では命式を作成するのに「生年月日時」を使用しますが、群式の場合は「運世年月」というものを使用します。運、世というのは年より上位の時間単位で東洋占独特のもので、日常生活でお目にかかることはまずないでしょう。

この本の中では実際に有名企業の群式を読み解きながら、企業の盛衰についての解説がなされたりしていてそれはそれで面白いのですが(具体的な企業名は伏字になっていますが、どの会社のことかはすぐにわかります)今回話題にしたいところは別のところです。

この本の中には次のような記述があります。

古代における運命研究の賢人たちは、最初に個人の運命の謎を中心に探り始めたのですが、研究していくうちに、もっと大きな作用がそこに存在することに気がついたのです。それが「集団の運」というものです。(「企業運命鑑定入門」P51)

著者も本の中で言っていますが、この本以外で「集団の運」について解説している本にはほとんどお目にかかったことがありません。細かい内容は忘れてしまいましたが、ロシア発のスピリチュアル本、「リアリティ・トランサーフィン」くらいでしょうか。

 

 

「リアリティ・トランサーフィン」では運命について直接的に語っているわけではなかったと記憶していますが、「集団の力」を振り子になぞらえて説明していました。なかなか興味深い内容なので一読することをおすすめします。

さて、「集団の運」の最小単位ですが、「企業運命鑑定入門」ではそれを家運としています。少し長いですが、更に引用します。

 家運とは、家族で構成する運命ということになります。そうすると結婚しないで独身で暮らしている人には家運は存在しないことになります。
こういう家運のない人を「単運」と我々は呼んでいます。結婚して家族を持つ人は「複合運」になります。
この複合運というものがくせもので、単運にない力を個人に与えるわけです。男性と女性が結婚して家族となると、それは単に個人の運が二つ合わさるというような単純なものではありません。数量計算的に見れば一プラス一で二になるということですが、そうではなくて合わさることで二乗倍とか三乗倍とか何倍にも拡大する可能性があるのです。組み合わせによってはもっと膨れる夫婦もおります。
よく昔から「一人口は食えなくても二人口は食える」というような格言がありますが、運命の世界ではそれ以上の力を認めております。それこそ、食うや食わずの人物が結婚を機にみるみる運を上げて大金持ちになる、というような事例は昔から数多く見られております。
(「企業運命鑑定入門」P57)

巷の四柱推命の本でも開運するには結婚することだ、と書かれているものを読んだことがありますが、何故結婚が開運になるのかまできちんと説明したものはありませんでした。余談ですが、西洋占星術では複数の年月日時を元に新たなホロスコープを作る「コンポジット」という手法があります。

この「企業運命鑑定入門」が刊行されたのは本の奥付をみると2007年と約10年前になりますが、当時でも少子高齢化は問題視されていたようで、以下のような記述があります。

 今日のように日々の暮らしにある程度満足がいくようになると、男性の向上心が失われてしまい、無理に結婚しなくてもいいやという風潮になります。女性の方だって自立できるのなら、煩わしい思いをして家庭を持つよりも、一人で気楽な方がいいという人も増えているようです。
そうなると前にお話しした「単運」の人が国民の中に占める割合が増えることになります。それは運がみみっちい人が増えてくることになります。
運のスケールが小さい人ばかりになれば、よけいに国運そのものが縮んでいくようになります。
もちろん単運の人でも成功する人も大勢いると思います。でもそういう人の成功とは高みを目指すばかりで、きわめて幅の狭い専門分野でのものが多くなります。
(「企業運命鑑定入門」P.62)

 

・・・どうでしょうか。今の社会の状況そのものではないでしょうか。

もちろん本が書かれてから10年近い月日が経過しているので、当時とは違った状況も生まれています。今日、結婚せず、子供も少ないという状況に陥っているのは上の引用文にある「日々の暮らしにある程度満足がいく」というのとは真逆の非正規雇用が増加することにより、生活に不安定さが増してなかなか結婚に踏み切れなかったり、というのもあるでしょう。

 

上記の「ガベージニュース」というサイトは政府から出される各白書の内容からデータをグラフ化するなどして可視化してくれていて、とても勉強になります。

また、「企業運命鑑定入門」の引用文中にあった「一人口は食えなくても二人口は食える」というのをデータで表している(と思われる)ものも見つけましたので参考までに紹介しておきます。

 

核家族世帯と三世代、そして単独世帯それぞれで大きく異なる世帯所得…世帯構成の世代別・平均世帯所得金額をグラフ化してみる(2016年)(最新)

 

このリンクにあるグラフの中から注目すべき1枚を抜粋。

↑ 世帯構成世代別平均世帯所得(万円)(2014年)

どうでしょうか。単運と複合運の差が垣間見られないでしょうか。グラフにある一世代のところが単運、二世代以上が複合運ということになりますね。

かつて日本が頂上に向かって駆け上がっていた時代、国民の多くは複合運の中にいたのです。それが時間が経つに従って単運のほうが増えていき、それとともに高度成長も鳴りを潜めた。その転換点はなんだったのか。そこを明らかにしていくことがこれからの日本を変えていくきっかけになるのでしょうね。

なんとなく、あれかなーというのは想像できますけれども。