これまでいろいろな、いわゆるスピリチュアル系のセミナーを受講してきたけれど、その中でも一番時間とお金をかけたのが呼吸法のワークショップでした。今はサボってほとんどしなくなってしまったけど、続けていた時の自分は一番イキイキしていたと思います。今の自分から見ると別人28号(笑)
当時、一緒に活動していた仲間とは現在は誰とも接触がなくなってしまいました。皆、卒業して「現実」の生活に戻っていったか、いまだにひっそりと続けているのかは定かではありません。
少なくても僕にとっての呼吸法は、その後の人生の展開に大きな影響を与えたと思います。
今回はそんな呼吸法のお話。
僕がブリージング(呼吸法)に出会ったのは20代の後半だったと思います。まだ某外資系コンピュータ会社に勤めていたころで、ちょっと私生活的には行き詰まっていました。
表面上は普通にエンジニアとしての生活をしていたものの、このままでいいんだろうか、この先一体どうなっていくんだろうかという思考が自分の中でぐるぐるしていた状態。そんな中で救いを求めたのがいわゆるスピリチュアルの世界でしたが、最初は本を読みまくっていました。そのうち、ワークショップやセミナーも開催されていることを知り、早速足を運びました。
最初は公開のチャネリング・セッションでした。今、思い返すに当時の僕はてっとりばやく「答え」を求めていたんだろうと思います。でも、そこでは得られませんでした。今ではそこでどんな話をされていたのか全く思い出すことができません。そのうち僕は情報だけでなく、経験したい、体験したいという衝動に強くおそわれて参加したのが、上掲の本の著者マイケル・スカイ氏によるブリージング(呼吸法)のワークショップでした。
ブリージング(呼吸法)って一体どういうものなの? と聞かれた時の回答は比較的簡単です。文字通り呼吸をするのが呼吸法です。
当たり前じゃない! と怒られそうですが、実はその当たり前のことができなかったりしているのが現代人だったりします。
試しに自分の呼吸を意識してみてください。呼吸していますか?
改めて自分の呼吸を意識してみると、1分間で実は数回しかしていなかったという人がざらにいます。ダジャレではありませんが、息をすることは生きることにつながります。息をしなければ死んでしまいます。しかしながらほとんど呼吸もせず、半分死んでいるような感じで生きている人が少なくないのが現代社会です。僕も最初に説明を受けたときには結構衝撃を受けました。
現在(2016年)呼吸法というキーワードで検索をかけると、インドのヨーガを起源とする呼吸法を紹介しているページが多いような気がします。しかしながら、マイケル・スカイ氏の教えていたブリージング(呼吸法)は全く違っていて、すごくシンプルなものでした。それは、
を重視したもので、マイケル・スカイ氏はそれを「円環呼吸(サーキュラー・ブリージング)」と呼んでいました。
このように手法はシンプルですが、奥はとても深いものでした。
当時、よく引き合いに出されたものに「ホロトロピック・ブリージング」というものがありましたが、これは「サーキュラー・ブリージング」とは違って、比較的早い呼吸を行い、意識を変性意識状態に持っていくのが主眼の方法です。
「円環呼吸(サーキュラー・ブリージング)」でも変性意識に入ることはありますが、必ずしもそれが目的ではありません。僕なりの印象では、マイケル・スカイ氏が重視していたのは
日常生活でも呼吸を続けること
でした。実際のマイケル・スカイ氏は非常に温厚な人で、アメリカ人でありながら日本のお寺のお坊さんのような人でした。外見もですが、呼吸法や呼吸法で得た体験について質問すると大概、にこっと笑って、
「Keep bleezing(呼吸を続けてね)」
と禅問答のような回答をするそんな人でした。本当に呼吸法と日常が一体になっている、そんな感じ。
ブリージングを行うことで得られる効果(体験)の一つとしてリバーシング(Re-Birthing)があります。
直訳すると「再誕生」ということになりますが、呼吸法を行う効果の1つとして自分の中にあるブロックの解放が言われています。
ブリージングにおけるブロックの考え方の1つは、ブロックはエネルギーの形で体内に蓄積されている、というのがあります。
その蓄積されたエネルギーが呼吸をすることで、まるで流れが悪い水道管を掃除するようにブロックを押し流していくというのです。その結果、解放が起きます。実際、ブリージングをしていると肩こりや腕や足にあった痛みなどが薄らぐ、なんていうことが時々起こったりします。
それらのコリや痛みの原因となっていたものがブロック、だとブリージングでは考えられているのです。
体に抱え込んでいる「ブロック」の起源をさかのぼっていくと、時に出生時に到達することがあります。
その出生時におけるブロックを解放することを「リバーシング」と呼んでいます。
では一体、出生時におけるブロックとはどんなものでしょうか。
まだ生まれたての赤ちゃんにどんなブロックが発生するというのでしょうか?
原因の1つと言われているのは「人工分娩」です。自然に生まれてくる、という流れではないので赤ちゃんの深層意識に「生きるというのは辛い(苦しい)こと」という記憶が植えつけられるというのです。
他にも母親(妊婦)や周りの家族の精神状態を敏感に察知して、それがブロックの種として植えつけられてしまう、ということもあるようです。
もちろん、みんなそうだ、というわけではありませんが。
呼吸法を続けていると変性意識に入ることがあります。
変性意識に入ると時々変わった体験をすることがあります。
先ほど説明した「ホロトピック・ブリージング」はもともと心理療法の一環としてLSDを使用するものがあったのですが、そのLSDの代替となるべくものとして開発されたものでした。なので、呼吸法にはLSDと似た作用の1つとして幻覚が見える、というのがあります。
同じ呼吸法でも「円環呼吸」は比較的穏やかなものなので、そうそうこういった体験があるわけではありません。
しかしながらセラピーの一環として行うときには呼吸のリズムを速くしたりとか、集団で行ったりすることがあって、そういうときはかなりエネルギー場が押し上げられるので人によっては日常生活では体験することができない「神秘体験」を経験することがあります。
とはいってもそれは脳内物質の分泌による「幻覚」にすぎないので、あまり体験にとらわれないことが大切です。マイケル・スカイ氏も同様の立場でした。
この速い呼吸、というのは通常の医学上では「過呼吸」と呼ばれるものに似ているかもしれません。なのでいたずらに体験を求めようとすると時として危険なのは容易に想像できるでしょう。氏が日常生活で呼吸を重視することに重点を置いたことはとても賢明だと僕は思います。
この「幻覚」を本物だと思って間違った方向に行ったのが某教団だと僕は思っています。
あの日本中を恐怖に陥れたあの教団です。
僕がこの呼吸法にはまっている時はまだ事件は起きていませんでした。
僕や数人の仲間たちはセミナー以外にも私的な集まりを作って、公民館の1室などを借り受けてブリージングを続けていましたが、事件発生後は場所を確保することがだんだん難しくなりました。
神秘体験なしでも、ブロックの解放時には時には強烈な感情表現(泣いたり、怒ったり、わめいたり)がともなうことがあります。
そういったことが気味悪がられるのに加えて、事件の恐怖から貸すのを躊躇するところが少なくなかったのです。
そんなことがあって、だんだんブリージングの活動も停滞していき。
気づけば仲間たちは元の世界に戻っていきました。
止めてしまったのか、日常の中に生かすことにしたのかは定かではありませんが。
僕自身についていえば、そこから今日まで休止が続いていたといっていいかもしれません。
この記事をきっかけにまた「ひとりブリージング」は始めてもいいのかなと思っていますが。
また機会があったら、続きを書くかもしれません。
ではまた。